解説

性格診断で、つい「理想の自分」で答えてしまう問題

診断が当たらない原因の多くは、テストではなく答え方にあります。人は自己申告のとき、無意識に自分を良く見せる方向へ寄せます。対策は「なりたい自分」を切り離すことです。

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「診断結果、なんかピンとこないな」

そう感じたとき、テストの精度を疑う前に確認してほしいことがあります。

答えるときに、無意識で盛っていませんか。

自己申告には必ず歪みが入る

心理学では 社会的望ましさバイアス(social desirability bias) と呼ばれる、よく知られた現象があります。

自己申告式のアンケートで、回答者が「他人から良く見られる」方向に答えてしまう傾向のことです。望ましい行動は多めに、望ましくない行動は少なめに報告してしまう。

そしてこれは、2つの成分に分けられると言われています。

1. 自己欺瞞(self-deception) 自分を好意的に見てしまう、自然な傾向。嘘をついている自覚がないのが厄介なところです。

2. 印象管理(impression management) 状況に応じて、良く見せようとする意図的な調整。

つまり「盛るつもりがなくても盛れてしまう」仕組みが、人間側に組み込まれています。研究でも、自己申告では望ましい特性を実際より多く申告する傾向が示されています。

タイプ診断は全問が自己申告なので、この影響を直接受けます。

特に歪みやすい質問

体感として、この2軸が盛られやすいと思います。

T / F 「論理より人の気持ちを優先しますか」— 優しい人でありたい気持ちが働きます。逆に「感情に流されない冷静な人」でありたい人は、T方向に盛ります。どちらの方向にも歪むのが特徴です。

J / P 「計画を立てて行動しますか」— ここは理想が混ざりやすい代表格です。「計画的でありたい」と思っている人が、実態はPなのにJ寄りに答える。逆はあまり起きません。

「なりたい自分」を切り離すコツ

対策はシンプルです。質問を過去形に読み替えてください。

  • ✕「あなたは計画を立てて行動しますか」
  • ○「直近の3回、実際にどうだったか

理想は未来形で語られますが、事実は過去形にしかありません。過去形に置き換えると、盛りようがなくなります。

そのうえで、以下も効きます。

素の状態を思い浮かべる 職場の自分は「仕事モードの演技」が入っています。休日の、誰にも会わない日の自分を基準にしてください。

迷ったら最初の直感を取る 考え込むほど「どちらが良い答えか」の判断が混ざります。悩む質問ほど、その軸は真ん中付近ということでもあります。

一気に受ける 日をまたぐと、その日の気分が混ざります。

「当たってない」は情報かもしれない

もう一つの見方があります。

結果に強い違和感がある場合、理想の自分と現実の自分がズレているサインかもしれません。

たとえば「Jと出たけど、実際は締切ギリギリで動いている」なら、それは診断が外れたのではなく、Jでありたいと思っているPという状態が写っている可能性があります。

これはむしろ有益な情報です。診断の価値は、当たっているかどうかより、自分について何を考えるきっかけになったかの方にあると思っています。

「当てる」ことを目的にしない

そもそも結果はけっこう揺れます。境界線の近くにいれば、受けるたびに反転してもおかしくありません。

だから当サイトでは、タイプ名で商品を紐づけません。指標に分解して理由を書くようにしています。

「INFPだからこれ」と書かれても、自分がINFPか自信がなければ使えません。でも「一人の時間で切り替える人だから、これ」と書いてあれば、タイプが何であれ自分に当てはまるか判断できます。

診断が揺れやすい人ほど、この読み方が向いているはずです。

参考

性格タイプの解説はエンタメとしてお楽しみください。同じタイプでも人によって好みは異なります。

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